この記事の監修者
医師・医学博士、ウルセラ認定医
東京慈恵会医科大学医学部医学科 卒業
日々、研鑽しています。
最も信頼され、感謝されるクリニックでありたいです。
RPPとは「多血小板血漿」のことで、自分の血液から作るものです。
簡単に言うと普通の血液と比べて、血小板の割合が多いものをPRPと呼びます。
血液の中から血小板を集めた濃縮液のようなものです。
血小板には細胞の増殖を促す様々な増殖因子(PDGF,TGF-β,VEGF,EGF)が含まれています。
これらが線維芽細胞に働きかけてコラーゲン生成を増やしたり、創傷治癒反応(組織を修復する反応)を促進します。
PRPを注入すると、お肌の弾力性を保つのに必要なコラーゲン、プロテオグリカン、ヒアルロン酸などが増え、肌質の改善やハリの改善が期待できます。具体的には、ちりめんジワや小じわ、ニキビ痕や毛穴の凹み、目の下のクマ等のお悩みに利用されています。
PRPによる治療は現場でも広く用いられています。
創傷治癒(組織を修復する反応)の促進を目的として、皮膚潰瘍や火傷、褥瘡を治すのに使用したり、整形外科領域で使われることもあります。
目周りのちりめんジワやクマ、ニキビ痕の凹みや小じわ、毛穴が気になる部分に注射します。
ダーマペンで細かい傷を沢山作り、そこにPRPを浸透させていきます。
ダーマペンでの施術は顔全体の小じわやニキビ痕を気にされている方にお勧めです。
30代女性 目周りのちりめんジワやクマに対してPRPを注射しました。
目回りのちりめんジワは減少し、目の下の皮膚にハリが出ています。
効果が分かるまで、2~4週間かかることが多く、3~4か月後がピークと言われています。
その後は半年~1年程度、効果が続くと言われています。
なお効果の感じ方には個人差があります。
直接注射した場合、赤みや内出血が出ることがありますが1週間以内に改善します。
また注入量によっては、直後は注入部位が少し膨らんだ状態になりますが、数時間で消失します。
ヴァンパイアフェイシャルの場合、顔全体の赤みや部分的な点状の赤み、内出血等がでることがありますが1週間程度で改善します。
PRP-F(PRP+トラフェルミン:
塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)療法)について
RPPにFGFを混ぜて注入している場合は、「しこり」ができる可能性があるというリスクを知っておく必要があります。美容治療においてPRPにbFGFを混ぜて注入した場合、注入部位に「しこり」ができた「皮膚が膨らんできた」などの報告があります。
bFGFの添加量や注入方法によってリスクを下げることが出来るという見解もありますが現時点では安易におすすめはできません。
安全な美容医療の提供を目的に、日本美容外科学会(JSAPS)・日本美容皮膚科学会・日本美容外科学会・日本形成外科学会・日本皮膚科学会で公表されている「美容医療診療指針」においても、bFGFを添加するPRP注入療法は推奨されておらず、当院でも添加物を混合しないご自身のPRPのみを使用しております。
引用コンテンツ