この記事の監修者
医師・医学博士、ウルセラ認定医
東京慈恵会医科大学医学部医学科 卒業
日々、研鑽しています。
最も信頼され、感謝されるクリニックでありたいです。
綺麗になるには、多少の痛みが必要と考えていませんか?
脱毛、ダーマペン、フラクショナルレーザーなど、しっかりと効果は出るけど痛い治療ってありますよね。そのような治療には、ぜひ麻酔を使うことでより快適に治療を行うことをおすすめします。
美容皮膚科では、皮膚~皮下組織、脂肪をねらった治療が大部分をしめます。
主に4つの麻酔が使われます。
痛みを抑えたい部分に、リドカインなどの麻酔薬をぬって痛みを抑える局所麻酔です。
クリームを塗ってから30分ほどで効いてきます。治療したい部分に塗るだけという手軽さと、ある程度の範囲をもった面積を治療したい場合に適しています。
麻酔をかけたいところに直接注射をします。皮膚の小手術や、レーザーでのホクロ・イボを焼灼する際に使用します。麻酔クリームと比べて効くのが早いため、治療部位がピンポイントな治療では治療時間が短いという利点があります。
笑気ガス(亜酸化窒素)を吸い、お酒に酔ったようなリラックスした気分になることで不安を取り除きます。痛みをおさえる作用というより心を落ち着ける作用がメインです。治療への不安が強い方に補助的に使用することが多いです。
プロポフォールやミタゾラムなどの静脈麻酔薬を使用し、意識をなくします。寝ている間に治療が終わるという利点があります。フェイスリフトや脂肪吸引の手術などで使われることが多いです。しかし麻酔が効きすぎてしまうと、呼吸が抑えられてしまい命にかかわることがあります。しっかり全身状態を観察しながら行う必要があります。
寝ている間に治療が終わってしまうという点では魅力的ですが、どんな治療に使用するかをリスクとベネフィットを比較して考える必要があります。現在たるみの治療としてウルセラやサーマクールによる機器の施術がありますが、これらの治療に対しての静脈麻酔の使用は推奨されていません。静脈麻酔を使用してまで、治療強度を上げても、治療効果が大きくなるわけではないのに、神経損傷や火傷といった不必要な合併症を引き起こすリスクが高くなります。
治療部位に、均一に麻酔クリームをぬります。その上からラップなどで密封し、30~60分程度置きます。その後、清潔なガーゼで麻酔クリームを完全にふき取り治療を行います。
麻酔クリームが使われる代表的な人気の治療として、医療レーザー脱毛、ダーマペン、フラクショナルレーザーがあります。医療レーザー脱毛は強いエネルギーを毛根に作用させます。ダーマペンやフラクショナルレーザーは皮膚の再生を行うために、皮膚深くにわざと傷をつけます。どの治療も効果を出すだめに、痛みを伴う治療です。
メラニン色素が濃い太い毛に照射する際には痛みを感じやすいです。部位としては、VIO、ひげ、鼻の下が痛いと感じる方が多いです。麻酔を使用せずに治療を受け受ける方もいますが、これらの部位は麻酔クリームにより痛みがかなり抑えられるため、使用した方が治療がスムーズです。
毛穴を目的とするのか、瘢痕やストレッチマークを目的とするのかにより針を刺す長さに違いがありますが、基本的に真皮にわざと傷をつける治療です。真皮には痛みを感じる受容器が存在しています。そのような場所に針を刺されることを想像してみてください。特にダーマペン4に至っては1秒間に1920個の針穴をあけます。
いくら細かい針といっても麻酔なしで治療するのは難しいです。
麻酔クリームは真皮に届くため、かなり痛みが抑えられます。麻酔効果に個人差はありますが、ほぼ無痛で治療を終える方もいます。
フラクショナルレーザーは毛穴・ニキビ跡・小じわの治療を目的に使用します。レーザーで真皮に熱を加えたり、真皮に穴をあけます。フラクショナルレーザーのターゲットとする真皮の深さは麻酔クリームの使用に適しています。数か所を照射するだけなら、麻酔クリームを使用しない場合もあります。皮膚の入れ替えを狙って広範囲に照射する場合は、麻酔クリームは必須です。
広範囲に使用できる点がメリットですが、局所麻酔薬には一度に使用できる量が限られているため、塗る量には気を付けて使用しなければなりません。
またクリームという形状ゆえに、目回りや口回りは塗る際に流れてしまわないように注意が必要です。また効果がでてくるまでに30分程時間がかかります。
皮膚の赤み、呼吸困難、血圧低下などのアナフィラキシー症状が出る可能性があります。
局所麻酔薬に対してアレルギー症状を起こした方は使用できません。
また麻酔クリームの種類によっては、メトヘモグロビン血症の方は症状が悪化してしまうため使用できません。
肝障害や腎障害がある方は、体内から麻酔が排出しにくく中毒の恐れがあるため使用には注意が必要です。妊娠している方や授乳中の方も安全性が確立していないため、使用は控えたほうがよいでしょう。
市販でも局所麻酔成分を含む外用薬を手に入れることができます。しかし医療機関で使用できる麻酔クリームと比べて、成分の濃度が低いため、痛みをおさえる効果は劣ります。痛みが不安な方は、治療を受ける際には医療機関が取り扱っている麻酔クリームを使用するほうが、痛みには効果的でしょう。
麻酔クリーム以外にも痛みをおさえる工夫があります。
飲む痛み止めを併用することで、痛みをより軽減できます。
バイブレーターの振動により痛みを感じにくくさせます。人間の体は、振動を脳に伝える神経の方が痛みを伝える神経より太いため、振動と痛みが同時に加わると振動の感覚の方が優先的に脳に伝わり、痛みがおさえられるというメカニズムがあります。
バイブレーターには、ボール状のものやスティック状のものなど様々な種類があります。振動の仕方も色々です。
効果はとても高く、ウルセラなどのたるみ機器の治療では麻酔クリームなしでも、バイブレーターのみで痛みをコントロールし治療を行える方がほとんどです。
治療部位を冷却することでも痛みをやわらげることができます。
東京美容皮膚科クリニックでは高濃度のリドカインを含んだ麻酔クリームを使用しております。
また麻酔クリームだけでなく、痛みをおさえる様々な工夫もこらして治療しています。効果的な治療を続けていただくために、患者様の不安・苦痛が少なくなるよう日々精進しております。
美容皮膚科治療の殆どはクリーム麻酔で対応可能です。
過度な鎮痛は危険も伴います。
東京美容皮膚科では麻酔の他にも痛みを和らげる工夫を行い
出来るだけ安全に苦痛なく治療を受けて頂いております。