この記事の監修者
医師・医学博士、ウルセラ認定医
東京慈恵会医科大学医学部医学科 卒業
日々、研鑽しています。
最も信頼され、感謝されるクリニックでありたいです。
東京美容皮膚科クリニック
港区 JR浜松町駅 北口 | 都営地下鉄 大門駅 直結
日本生命浜松町クレアタワー 4F
2017/03/25
こんにちは。
今週、東京は桜開花宣言されましたね。
気温の低い日が続くため満開は数日後だとか・・・。
いかがお過ごしでしょうか。
前回のテーマは「たるみとウルセラ」についてでした。
今回のテーマは「ウルセラとハイフ」です。
ウルセラは高密度焦点式超音波治療法 HIFU (High Intensity Focused Ultrasound:以下ハイフ)の医療機器となります。
「ハイフ」とインターネットで検索すると・・・
ウルセラだけでなく様々な種類の機器が出てきます。
東京美容皮膚科クリニックでは取り扱っていないものも含めてご紹介します。
ざっと挙げてみますと、ウルセラ、ウルセラダブロ、ウルトラフォーマーⅢ、ウルチェ、ウルトラセル、コントレックス、ベロハイフ・・・と様々です。
アメリカのFDAの認可を受けたハイフの機器はウルセラになります。
他の機器は韓国製が多いですね。
どの機器が一番優れているか・・・という議論は困難ですが「ウルセラは痛い、機器Aはそれより痛みが少なく効果も優れている」という謳い文句をクリニックのホームページ上で見ることがあります。
ハイフの原理は筋膜 SMASと言われる深い層にピンポイントで点状に熱を加えることにあります。
ハイフである以上、原理は変わらないのでウルセラと同等の効果を得るためには痛みというものは変わらないはずだと思いますが、「痛くない」というたるみ治療の機器が存在することは否定しません。
しかしウルセラと同等の効果がある、ウルセラ以上の効果があると謳っているのは非常に疑問です。
理由をご説明します。
ハイフと痛みの関係は
①焼灼するパワー
②一度に焼灼する数
③焼灼密度
④焼灼具合
だと考えられます。
①に関しては機械個々に違いがあると思いますが筋膜にきちんと届くパワーでなければハイフとは言えません。
次に②〜④に関してですがイメージ像を二つ並べてみます。
図1(ウルセラ)
図2(痛みが少ない機器)
まず②、③ですが熱を加える箇所が多く、それらが密にタイトである上図の場合と、一度に熱を加える箇所がまばらな下図の場合とを比べてみるとどうでしょうか。
当然、図1の方が「痛み」を感じると考えられます。
④ですが、ハイフは高密度焦点式超音波治療法です。
前回、凸レンズのイメージをご説明しましたが、焦点があっていないと的確かつピンポイントで筋膜に熱を加えることはできません。
熱を加える焦点が筋膜に対し的確でない図2では効果は得られません。
①〜④全て兼ね備えた機器がウルセラ(アメリカFDAが認可している機器)であり、痛みを伴うことはハイフの理論上必要なのです。
したがって図2のような機器の場合、効果は別として・・・痛みは少ないかもしれません。
痛く無いハイフ≠効果が高い
というのはご理解いただけると思います。
ちなみにエステ(医療機関ではないお店)でもハイフを用いて施術をしているのが現状です。
医療機関とエステ(医療機関以外)のハイフは全く別物と考えてください。
またこれに関しては国民生活センターから警告が出されています。
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20170302_1.html
ハイフは医療行為です。
価格も安く効果も高いように謳っていますが医療行為は“安かろう悪かろう”ではいけない分野だと思います。
そしてアメリカFDAからもウルセラに似せた機器(模造品)に関して警告を出していますのでご参考までに。
火傷の被害報告が多いです。
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/lsm.22275/abstract
今週もお疲れ様でした。
素敵な週末を過ごしください。